日の本の國、日本人を育てるもの、磨くもののblog

今世界に一番影響を与えると言われている日本人。和を生む日本固有の自然観、死生観、歴史観をつくるもの、日本語、建国の歴史、江戸末期からの近代史などについて、開発者として経験を通して感じ取ったものを書き綴ります。

カテゴリ: 漢字

 3番目は、「丙(ひのえ)」、火の兄です。木から火が生まれる関係でもあります。


 干支の活学では、「丙」の初義を甲骨文・金文の古い形から、器物の台座、槍や杖の石突の形をしており、本来は柄を示す字であったとのことです。


 「説文」では“丙は南方に位置し、万物なりて平然足り。陰氣始めて起こり陽氣まさに欠けんとす”とあります。

 「丙」の上の“一”は陽氣がぐんぐん伸び切る様を表し、陽氣が極まると“冂(けい)”の中に入り、やがて陰氣が生じる流れとなることが書かれています。

 壮年のエネルギーが、熟年となり、やがて老年に向かうが如くです!

 全ては循環ですね!干と支、2つの循環が回っていることになります。10と12の違いが、60の組合せを生んでいます。

 ものすごい智慧のように感じませんか!?

 「乙」は以前今年の干支を観たときに書きましたが、改めて観ていきます。


 前回の“甲(きのえ)”木の兄は陽で、剛の大木でした。それに対して「乙(きのと)」、木の弟は陰であり、草華です。

 字の形が表しているように、曲がり、柔軟性を示すものです。

 干支の活学をみると、説文では、“乙は春の初め、草木宴曲(くさきえんきょく、くさきがまがる)して、出ず。陰氣なお強く、その出づるや乙乙なり”と書かれているとのこと。

 前の甲は、一陽来復して冬の間、鱗甲の中で陽氣を待っていた芽が乙の時になって、鱗甲を破ってすっと伸び出したさま。

 ところが「乙」はまだ陰氣が強く残っていて、冷氣もあり、春寒の状況にあるため伸びた芽が寒さのために、曲がり、伸びたさまが乙乙のように先が曲がっているさまを表しています。
 

 白川さんの辞書を観ると獣の骨の形から来る象形文字とあります。

 木と違い、草華を表しているということで、柔軟性があることが特徴です。強引に押し通すのではなく、通り抜けられるところを探し、曲がりくねりながら模索する意味が込められているように思います。

 乙の年は、条約が良く締結されています。

 
今年と同じ干支である60年前を観ると、1955年国際紛争を収めるバグダット条約(中東条約)や西ドイツのNATO加盟、ソ連をはじめとした共産国のワルシャワ条約、東南アジア条約機構などが締結されています。

 視点を変えると歴史から新たな法則、周期の発見があるように感じませんか!?

 前回まで、十二支についてみてきました。12の数で循環しています。時計も同じです。偶然でしょうか? 江戸時代までは干支で刻時を伝えていましたね。


 今回からは十二支と組み合わせて使われている、十干をみていきたいと思います。

 十干は“甲乙丙丁戊己庚辛壬癸”です。“木火土金水”と“兄弟(えと)”の組合せです。

 最初は「甲」の木の兄、“きのえ”です。
 安岡先生の干支の活学では、「甲」は鎧(よろい)で、鱗とされています。

 鎧を着けた草木の芽が、その殻を破って頭を少しだした形。これを人事に当てはめると、旧体制が破れて、確信の動きが始まるということになります。

 実践的にみると、この自然の機運に応じて、旧来のしきたりを破って、革新の歩みを進めねば成らぬ時ということになります。

 “押”さえる、のように押さえていたものが開くとき、“抽”のように、引く,抜くという意味で、植物が芽を出す意味となります。

 白川先生の常用字解をみますと、「甲」は象形文字、亀の甲とあります。亀の腹の甲羅には中央に縦に貫く縫線があり、またこれと交わる縫線がある。

 古い字形は縫線が交わる十字の形で表されている。のちにこれに甲羅の上半分の輪郭が加わり、「甲」の字になったとのことです。

 亀が鎧で武装することをいい、兜をかぶることをも「甲」と言うことも書かれています。

 

 「甲」は武装し、固そうで、貫くパワーが強そうですね!ただ融通が利はかなさそうですね。

 何ごともどの面がでるのか、活用するのか、使い方次第で善し悪しが決まりますね!

 支の字を”子“から順番に観てきました。今回は最後12番目の「亥」です。

 この字はどのような元字から来ているのでしょうか?

 安岡先生の干支の活学をみてみますと、「亥」は旧暦の十月。方位は北北西とあり、旧暦の十月の時期、北斗七星の斗柄が北北西を指すのが十月であることから、旧暦の十月になっているとのことです。

 十月は植物の果実が固い核を形成するとき。古書に「亥」は”百物を収穫する“とか、”物皆堅核と成る“の意としています。

 つまり「亥」は”核“の意としています。

 
前の”戌“は一陽を残している時期、「亥」は陽氣がまったく地中に入り、陰極まって地中に微陽が起こっている状況を示しているともしています。

 陰の状態が極まると、そこから新たな陽が生まれ始めている状態でもあります。その核が出来はじめている時ですね!

 全ては循環であり、一つ消えれば一つ新たなものが生まれる法則が働くことを教えてくれているように感じます。対極図もそれを表しています。

 白川先生の人名字解によると、獣の形の象形文字とあります。祟り(たたり)をもたらす獣を横から見た形で、これを殴って悪霊を追い祓う儀礼を”亥“の横に”殳“をならべた字、”おにやらい“というそうです。

 劾(せめる、しらべる)はおそらく、”おにやらい“の字を誤った形としています。

 違うアプローチから「亥」の字を調べ、少し地形t兼秋になっているのが面白いです。

 特に悪霊を祓うものに通じている時であるとしている点に至った過程に興味が湧きます。

 植物の循環という流れでみると”核“、骨組みを表す”骸“でもあります。基礎を作る時期を教えてくれていますね!

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 支のサイクルの11番目、「戌」になりました。動物の“犬”とは全く違う字です。


 「戌」陰暦の九月の秋、時刻は午後7時から9時です。

 植物の成長サイクルをイメージするとどのような字から来ているのかというと“茂”です。

 干支学によると、この月は草木が繁茂、成熟し、やがて陽氣が近いに入るとき。まだ一陽を残している時でもあります。

 繁茂成熟した樹々は日当たりも悪く、風通しもよくないので、樹の衰えをおこす。

 不要な枝葉を切り落とし、子の疲れを癒やす根固めするときでもあります。

 翌年に一段と成長するための準備の時とも取れます。
 つまり、過剰なものごとを大なたを振るい、思い切った大整理をするとき。簡素の美に徹するときに当たります。

 白川先生の字統をみると、戉(まさかり)の刃部を主とする形の省益も字とあります。

 説文に“滅ぶるなり、九月、陽氣徹して、万物ことごとく成り、陽下りて地に入るなり。五行、土は戊に生じ、戌に盛んなり。戊の一を含むに従う」とあります。

 一つの成長サイクルの終盤で、生い茂り、成熟した状態。次の成長の準備をするとき。

 今の日本が置かれているように感じます。戦後つくられたものの見方、とらえ方の価値観に限界が見えているときです。

 真の豊かさ、成長をするには原点回帰に戻るのが最速の成長のように感じます!支はとても、大事なことを教えてくれているのではないでしょうか!?

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